■ 運動会にも出られなかった子供時代
テレビに舞台にと元気に活躍を続ける大空さんだが、子供時代は体が弱くて、3〜4歳まで表にも出してもらえないほどだった。
大空さん:「小学校も、週に3日か4日は休んでいたんですよ。だから運動会も遠足も参加できなかったし、給食当番もやってません」
そんな大空さんの体が丈夫になっていったのは、おばあちゃんの教えを忠実に守ったからだ、と今でも大空さんは断言する。
大空さん: 「寝る時はどんなに寒くても冷たいフトンで、しかも薄着で寝なさい、とおばあちゃんにいわれました。寒ければ自分の体温で暖めればいい、というんです。それで風邪もひきにくい体質になりました。だから私、いまだに冬でも電機毛布は使わないし、寒がりなのに自室に冷暖房は入れてません」
他にもおばあちゃんに教わった「治療法」や「健康法」は数え切れない。
たとえば目にモノモライが出そうな時には、ツゲの櫛を畳にコスって熱をもたせ、
患部に当てるのがいいとか。本当に目が腫れてくる前に化膿させて治してしまうわけだ。
ヤケドの火ぶくれや足のマメができたら、針で穴をあけて水を出し、その後に火箸
などを厚くして火ぶくれした患部をなでればすぐに治る、というのもおばあちゃんが
教えてくれたものだ。
まだまだある。梅干をちょっと炙ってお茶に入れると風邪にいい、とか、火鉢で焼
いたミカンはセキを止める効果があるとか、生米を噛んで柔らかくしてからウチミの
患部に貼りつけるといいとか。ウチミには卵の膜もいいらしい。
大空さん: 「焼酎に消毒効果があるのも、たぶんおばあちゃんから教わったんだと思います。切り傷があったりすると、すぐにおばあちゃんは焼酎をつけてくれました」
体が弱かった大空さんは、小学生時代、よくドクダミとゲンノショウコをお茶代わ
りに飲まされた。それが効いたのか、ニキビなどで苦しんだ経験はない。
黒豆を煎じて、そのおつゆを飲むとノドにいい、とおつゆを学校に持っていった記
憶もある。
歯ぐきは塩で磨きなさい、ということも、おばあちゃんから何度も聞かされた。
日常生活の中でのアドバイスも非常に多かったらしい。
大空さん: 「寝巻きはもちろん、夏に蚊帳をつったら、朝は少し早めに起きてキチンとたたみなさい、といわれました。当然、フトンの上げ下げも自分でしなくてはいけないし、下着は必ず自分で洗うのが女性のたしなみだと教えられました。雨戸の開けたても、毎日ちゃんとやりなさい、とも」
これらの教えは、その後、大空さんの体に染み付いてしまい、今でもフトンの上げ下げや洗濯はすべて自分でやらないと気がすまない。
大空さん: 「そのおばあちゃんが死んだのが、ピッタリ104歳の誕生日なんです。ウチの母とそのお姉さんに体を拭かれながらの、とても穏やかな最期でした」
本当にいろいろなことを知っている、「知恵袋」のようなおばあちゃんだったのだ。
■健康法はワンちゃんとの散歩
おばあちゃんだけでなく、お母さんから教えられた「健康法」もある。
健康食品としてよく知られる「卵油」も、大空さんのお宅では、買うものではな
く、ウチで作るものだった。黒焦げになるまで卵を炒ってはじめて卵油が出来るのだ
が、それ用の鍋があり、よくお母さんが作っていたらしい。
おばあちゃんやお母さんの「知恵」のお陰で、大空さんはすっかり健康になって
いった。現在も、常に治療に通わなくては行けない重い病気はない。せいぜい肩こり
がひどいのと、腰がときどきだるくなるくらい。
大空さん: 「それも、知り合いから聞いた、いい治し方があるんです。朝起きてすぐ、タオルの両端を持って、背中を洗うみたいに後ろに回すんです。それで指も細かく動かしつつ、つま先だって100歩くらい歩くの。これは腰が伸びていいですよ」
肩こり対策として、あの坂本九さんから教わった方法もある。まず下を向き、それから右肩の方を見ようとして首を思いきり曲げ、次に左肩の方を見る。これを繰り返
すと方が軽くなるらしい。
運動も、スポーツクラブなどには入っていない。飼っているワンちゃんとの散歩が主。飼っているのはイタリアングレーハウンドとロングヘアーダックスフンド。携帯の待ちうけ画面には必ず愛犬の姿がうつし出される。小学校時代から、ずっと東京・九段に住んでいたのもあって、散歩コースは昔からの馴染みの北の丸公園だ。あそこにはイヌと飼い主のための散歩コースもある。
大空さん:「ただ、私、方向オンチで、いつもと違う出口を出たら、どこかわからなくなったことがあるんです。その時は仕方ないから、タクシーの運転手されに頼んで、特別にイヌを抱いて乗せてもらって家に帰りました」
と明るく笑う大空さん。運転手さんも、突然、有名スターが、しかもイヌを連れて乗りこんできたのにはさぞビックリしただろう。
子供の頃弱かったのもあって、体にいいといわれる食物は積極的にトライしてみるのが大空さんの習性だ。一時、ビタミンCをいっぱい摂取した方がいいとアドバイスされた時には、よくレモンを丸かじりしたりしていたとか。ただ、あまり胃によくないらしいのでやめてしまったが。
大空さん: 「グレープフルーツが出始めた頃には、レーズンと一緒に冷やして食べたりもしてましたね。メロンが体にいいと聞かされて、さかんに食べてた時期もありました。でも、本当は果物なら、やっぱりスイカが好き。縁側で、タネを飛ばしながら食べるの
が大好き!」
ずっと若くて健康な大空さんだから、まだ「死」を意識することなんてないだろう、と勝手に思っていたら、本人は「そんなことはありません。私、尊厳死協会に入ってるんですよ」との答えだった。
大空眞弓
(おおぞら まゆみ)
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| 東京都出身。東京音大声楽科在学中にスカウトされて芸能界入り。映画『女王蜂』(新東宝)でデビュー。その後、映画では駅前シリーズなどのコメディにもレギュラーで出演しつつ、『如何なる星の下に』『風林火山』などの文芸作品にも出演するなど多彩な活動を続け、テレビでも『愛と死をみつめて』などの大ヒットドラマに主演。舞台でも山本周五郎作品をはじめ、出演作多数。 |
大空さん: 「ウチの一家で典型的なガン家系なんです。父も母も姉もみんなガンで亡くなってる。遺伝性のガンは予防のしようもないし、いずれなるのは避けられないとは思ってます。ただね、管をつけたまま2年3年と生き長らえるのはイヤです。無駄な延命治療はしないでほしい」
死後の葬儀のことまで考えているという。どうせやるなら「玉子葬」がいいとも。
卵が大好きな大空さんにちなみ、弔問客は思い思いに卵を持ってやってくるのだ。それもナマでなく、ゆでた卵を。で、斎場で塩を受け取り、家にその塩と卵を持ち帰って、大空さんを偲びながら卵に塩をつけて食べる。
大空さん: 「なぜか、このプラン、私、とっても気に入ってるの」
いやいや、まだそれが実行に移される時期はずっとずっと先のことだろう。
(第7回 大空眞弓さん インタビュー 終わり)
| 出演予定 |
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| 舞台 |
平成16年 |
5/3〜6/30 |
芸術座 「初蕾」 |
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8・9月 |
地方巡業(九州) 「罠」 |
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10/2〜26 |
中日劇場「名古屋大安吉日物語」 |
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平成17年 |
1月〜2月 |
ル・テアトル銀座 「三婆」 |
| TV |
平成16年 |
金曜エンタテインメント 「男たちの宿題」 |
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