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むくらいの土器とは
土の中から、
様々な命が生まれてきました。
草、虫、動物、そして人も―。
これは世界各地で、
いまも語り継がれている神話です。
土に命の源を見出してきた、
いにしえの土の民の記憶と知恵を求めて、
土器づくりに励んでいます。
むくらいとは、
豊後の国独自の神代文字で書かれた、
古事記よりも古い神話の中に現れる、
癒しの神の名前。
土は生命を産んで生育を施し、
病めば癒し、尽きた命が還るふるさと。
むくらいは私の中では、
土と命の神様となって、
私に土器づくりを促してくれます。
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ひとは土から生まれて
土へとかえる
死によって 土へとかえる
ひとは奢ることなく
土とともに
つつましく生きるがよい
〔土の民の言葉〕
土と火の中から生まれた生命たち。
光芒
白月
海花
土母
静陸
仙后
遠灯
羅馬
楼蘭
嘆きの壺
子宝の壺
和尚
蒸気船
波斯
アフリカの母
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■土器づくりの女たち■
土器や土っぽい焼き締めの器がとても好きです。
それらの持つおおらかな力強さに惹かれるのでしょう。
土器は博物館でお目にかかるもの、
遥か昔のものだとずっと思っていました。
ところが、プエブロインディアンや東南アジア、
アフリカの女たちは、生活に使う土器を、
今でも自らの手で作っているそうなのです。
米びつ、水甕、土鍋・・・
太古から土器づくりは、
台所を預かる母たちの領分だったようです。
アフリカの母たちは、
乳飲み子に乳房を含ませながら土器を作り、
プエブロの女たちは、キッチンで土をこね、
粘土の精霊と大声で語らいながら土器を作ります。
そして母なる大地に祈りを捧げるのです。
日常と聖なる時間が溶け合った世界。
土器にはそういう世界を生きている
母たちのおおらかさ、あたたかさ、
力強さが秘められているのでしょう。
今日も私は、土器づくりの女たちのように、
粘土に向かいたいと思うのです。
〒879-1505
大分県速見郡日出町川崎1612−1
「むくらいの土器」
TEL.0977-72-6004
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