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暮らしに役立つおばあちゃんの知恵袋

TEL. 090-1211-0042

〒879-1505大分県速見郡日出町
川崎1612番地1

おばあちゃんの知恵「もらう・あげる」

「もらう・あげる-」 今は昔ほど、儀礼的に物をあげたり、 もらったりすることがなくなりましたが、それでも人生の節目で頂くもの、あげるものはとても大切です。 そうしたさいの心配りやマナー、儀礼について、おばあちゃんの知恵をご紹介します。
贈り物の写真

   - 目次 -
【1】もらった時のお礼
(1)お祝いをもらったときのお返し

   1お返しのタイミング

   2内祝いとは?

   3①結婚内祝い

    ②快気内祝い

    ③出産内祝い


(2)プレゼントや贈り物へのお礼

   1便宜的にならないお礼が大事

   2おすそ分けへのお返しは?

   3果物をもらった時のお返しは?


【2】
あげる「贈り物」のマナー

(1)風呂敷に包む

(2)託送の場合

(3)贈り物にふさわしくない品物

(4)一般の贈り物は奇数で

(5)生ものを贈る場合「のし」はつけない

(6)慶事に魚を贈る場合

(7)泥つきのものは贈らない

(8)病気見舞いの品は

(9)病気見舞いに花を贈る場合
(10)目上の人には現金は禁物


(11)慶事と弔事が重なった場合

【3】お返しとお礼状の注意点
~知恵袋の会会員からのアドバイス

【4】あげるときの注意点
~知恵袋の会会員からのアドバイス




【1】もらった時のお礼
(1)お祝いをもらったときのお返し

 お祝いをもらった場合は、お返しの品を贈るのがマナーです。ただし「入学祝い」「卒業内祝い」などはお礼状で済ませてもマナー違反にはならない場合もあります。

お返しのタイミング
 一般に結婚や出産などのお祝いを頂いてから、一か月以内にお返しをするのがちょうどよい、とされています。お祝いを頂いてすぐ翌日とか、あまりに早いタイミングは考えものです。しかし病気見舞いをいただいた場合のお返しは、早いに越したことはありません。気遣っていただいた感謝の現れを態度で示しましょう。退院して2週間以内にはお返しをしたいものです。

内祝いとは?
 お返しをする場合、結婚内祝いや出産内祝い、快気内祝いなど、「内祝い」という言葉をよく使います。この場合の「内祝い」とは「お礼・お返し」の意味です。本来は内輪の仲間で悦びを分かち合うことを指していましたが、現代では言葉の意味が広く使われて「お返し」を意味するようになりました。

3様々な内祝い
結婚内祝い
結婚式の写真

・「結婚内祝い」を贈る相手
 披露宴に招待した人からのお祝いには引き出物を贈ります。「結婚内祝い」は招待できなかった方からお祝いを頂いたときのお返しです。贈るタイミングは挙式後一か月以内。金額の目安ですが、親族や目上の人からのお祝いに対しては、頂いた結婚祝いの半額程度。目下の人には同額程度の品がよいでしょう。披露宴で渡す引き出物を「内祝い」で贈っても。
・表書き 内祝 または 寿
・水引  紅白結び切りの10本


快気内祝い
退院の写真

「快気内祝い」は、病院を退院したもののまだ通院状態にあるときに贈るお返しです。ちなみにケガや病気が全快した場合は「快気祝い」となります。快気内祝いに贈る品は、病気やケガが「消え去る」、という意味合いから、消費されてしまう品を贈ります。洗剤や和洋のお菓子などが定番です。
・贈る時期 退院後1~2週間以内
・頂いたお金や品の三分の一程度
・表書き 快気内祝い または快気祝い
・水引  紅白結び切り7本


出産内祝い
出産の写真

 文字通り出産に対して贈り物を頂いたことへのお返しです。産後1ヶ月ごろでお宮参りの時期に内祝いを贈りましょう。昔は赤飯や紅白餅を配っていましたが、現代ではギフトカードやカタログギフト、スイーツ、ジュース、コーヒー、紅茶、タオルなどを贈っているようです。お祝いに頂いたものの半額から3分の1が、内祝いの予算の目安のようです。
・表書き 内祝または出産内祝
・水引  紅白蝶結び


(2)プレゼントや贈り物へのお礼
ギフトの写真

便宜的にならないお礼が大事

 人からになにかをもらった際に、間髪を入れずお返しをすると、贈った方に『贈り物は迷惑だったのかな』『あげた物が気に入らなかったのかな』と心配させることも多いようです。お返しのタイミングが早すぎるのも考えものです。お返しをする場合はゆっくり一か月以内くらいの目安がよいでしょう。また素朴な好意で贈られてきたものへは、まずは喜んで頂いておいて、なにかのときに素敵なものが目についたとか、贈ってあげたいと感じたものを贈るなど、便宜的にならないお返しも気持ちよいものです。かえってその方が心が伝わることも多いでしょう。

おすそ分けへのお返しは?
野菜のおすそ分けの写真
 
  現代のように近所づきあいが減ると、「おすそ分け」がなくなりつつありますが、昔は到来物(もらい物)があったとき、「ほんのおすそ分けです」といって、近所に配ることがよくありました。こういう場合は、すぐに返す必要はなく、同じようにこちらも何かの折におすそわけをすることで、近隣とのコミュニケーションがとれていけます。

3果物をもらった場合のお返しは
 果物をいただいた場合は、果物で返すのは考えものですね。こういう場合はお菓子など、ちょっとジャンルが違うものの方が喜ばれます。もっともおすそわけなのか、贈り物なのかでもお返しが変わってきます。ご近所の方が実家からたくさん柿やミカンが送ってきたからもらって、というようなくだけたおすそわけの場合は、いったんもらっておいて、何かの折に買った果物や野菜などでも問題ありません。でもきちんとした贈り物で頂いた果物には、少し間をおいて、お菓子など、相手が恐縮しない程度のものを送るとよいでしょう。




【2】あげる「贈り物」のマナー
 内祝いの写真

 贈り物は、贈り主が服装をスーツや訪問着に改めて、贈る相手先へ品物を持参して足を運ぶのが本来の姿です。こと結婚祝いなどの慶事に際しては、本人が実際に届けるように努めましょう。昔は贈り物を届けるときは、品物を白木の折敷(おしき)に戴せ、そのうえへ家紋のついた袱紗(ふくさ)をかけて風呂敷に包んで持参しました。

(1)風呂敷に包む
風呂敷に包んだ贈り物の写真
 
 現代では折敷や袱紗は使わなくとも、贈りものは風呂敷に包んで訪問したいものです。また品物を渡す順番も大切。挨拶をした後で風呂敷を解き、それをきちんとたたんでから、表書きを先方が読めるように、贈り物を相手の正面に向けて差し出します。長い品物は横にして、相手の左側に品物の頭が来るように差し出します。購入した店の包装紙は取り除いておきましょう。このときつい出がちな「つまらないものですが」の言葉は、慶事においてはご法度です。かえって失礼になってしまいます。

(2)託送の場合
リボンを結んだギフトとメッセージの写真

 デパートなどで購入して託送してもらうことも、現代ではマナー違反ではなくなりました。しかしその際は必ず手紙やカードを添えておきましょう。またリボンをつけた贈り物の場合は、のしは不要です。そのかわり必ずカードをつけて。上包みにも直接文字は書かないように。

(3)贈り物にふさわしくない品物
 ナイフ、はさみ、包丁、缶切りなどは、人間関係や愛情が切れることに通じるので、昔から贈り物には似合わないとして避けられてきました。櫛も苦死をイメージさせ、履物を贈るのも、昔は「踏みつける」ことに通じるのでむやみに贈らなかったそうです。

(4)一般の贈り物は奇数で
 贈り物の数に縁起を感じる人も少なくありません。祝い事や見舞い、その他一般の贈り物は奇数が基本で、弔事は偶数を贈ります。ただし夫婦茶碗など、ペアでワンセットというものは、偶数で慶事に使っても問題ありません。4は死、9は苦に繋がるので我が国では嫌われ、西洋では13がキリストの亡くなった日として敬遠されています。

(5)生ものを贈る場合「のし」はつけない
生ものの肉やハムの写真

 ハム、肉、カニなどの生ものや、カツオ節などにうっかりのしをつけないようにしましょう。こういう場合は、のしの付いていない、紅白蝶結びの水引がついたかけ紙を用いて、その上に「お歳暮」や「お中元」と書いて名入れをしておきます。「生ものにのしはつけない」というのが生ものを贈る際のマナーです。

(6)慶事に魚を贈る場合

タイの贈り物の写真
 
 新築祝いなどの慶事にはタイやイセエビを贈ることがあります。この場合、生ものですからのしの必要はありません。またこうしたものを祝儀として贈る場合は、正木の進物台の上にのせて、一定の形式に従って贈りますが、現代ではこれを簡略化して、お盆やかごに笹の葉を敷いて、魚の頭を左に向けて贈ります。魚の置き方も「海背川腹」というように、海の魚は背が手前に向くように、皮の魚は腹が手前に向くように並べます。

(7)泥つきのものは贈らない
 野菜やフルーツなど、季節のものを贈る場合、泥つきのまま贈ると失礼にあたります。有機野菜や無農薬野菜を贈る場合は特に気をつけましょう。ただしマツタケの場合は別で、泥付きの方が心がこもった贈り物とされています。かごに入れてサトイモの葉を敷いて贈ります。

(8)病気見舞いの品は
 病気見舞いの写真

 病気見舞いは、あいての病状を気遣い、励ます心遣いが何よりも大切です。友人でも派手な服装は慎みましょう。また大勢で押しかけるのも、相手を疲れさせますから考えものです。入院直後や手術の前後は、相手が落ち着かないときなので控えます。お見舞いの品は、病人が必要なものを贈るのが喜ばれます。パジャマ、枕カバー、バスタオルなど。飲食に特に問題がない病気の場合は、先方の好みの食べ物や飲み物でもよいでしょう。同室者がいる場合は、おすそお分けできる個装のものが喜ばれます。

(9)病気見舞いに花を贈る場合
 フラワーアレンジメントの写真

 病気見舞いに花を贈る場合は、先方に花瓶の用意があるかどうかが気になりますね。こういう時は花瓶が不要なアレンジメントを贈れば便利です。お花屋さんで「病気見舞い用に」といえば、相手の好みがわからずとも、見舞いにふさわしい花をアレンジしてくれます。また注意したいのは、花にまつわる俗信です。椿は「首が落ちる」ということから嫌われていて、菊は葬儀を連想させるので敬遠されています。また西洋でも「散る花」ということで、菊が不吉なシンボルとして信じられている国も。特に小菊は不幸な花とされています。このほか病室に強い香りがこもるユリなどや、赤などの血を連想させたり、神経を高ぶらせる色の派手な花にも気をつけたいもの。鉢植えは「寝付く」、シクラメンは「死、苦」に通じるため、贈らないのが無難です。また4本や9本など死や苦を連想させる本数も避けたいものです。

(10)目上の人には現金は禁物
現金はダメの写真

 先方の好き嫌いで、贈ったものがはずれとなる恐れのある品物よりも、贈り物は現金の方が無難だ、と考える人もいるでしょう。またもらう方も、お金なら嫌がることはありません。しかし気をつけたいのは、目上の人に現金を贈るのは失礼にあたるということです。こういう場合はギフト券や商品券、ギフトカタログなどを代わりに贈ります。また目下の人に現金を贈る場合は、銀行に行って新しいお札に変えます。硬貨を贈るのはマナー違反です。

(11)慶事と弔事が重なった場合
 出産と逝去が重なった場合は、弔事を重く見て、お祝いをしないのが慣例です。親しい間柄ではお祝いはさけて、お悔やみに行きましょう。



【3】お返しとお礼状の注意点
~知恵袋の会会員からのアドバイス
お礼状をイメージさせるポストの写真

1「お返し」「お礼状」
・送り状をとっておく
  届いた荷物についている送り状をはがしてとっておくと、お礼状を書くのに便利です。相手の住所や電話番号を調べるのはおっくうなものです。(東京・Ⅿ)

2旅だより
  旅先で、美味しい物や相手の好きそうなものを見つけたとき、旅だよりといっしょに贈ります。かつてもらい物をしたときのお礼も込めて、という意味もあります。その土地のレターセットを使うのもいいですね。(山形県・A)

3さりげないお返し
  最近の人は、お返しがうまくなったなあ、と思います。昔は、日本人の悪い癖でちょっと意識しすぎて、もらったものが高そうだから…、と、釣り合いを考えたりしました。今の若い人たちが、気軽にものをあげたりするのは、いいことかもしれないわね。(大阪府・Y) 

4絵手紙のお礼状
  なにかもらい物をしたときに、絵手紙のお礼を送ります。自作の絵に言葉を添えるだけで、こちらの思いがより伝わるような気がします。(埼玉県・H.I) 

5まずお礼の電話
  なにかをいただいたときは、できるだけ忘れないうちにお礼を言うようにしています、お便りが、いちばんいいと思うのですが、筆不精なので、めんどくさくなります。そんな恐れのあるときには、忘れないうちに、電話をかけます。(東京都・K)

6お礼三日
「お礼三日」ということわざがあります。「お礼は三日以内にしろ」という意味です。贈り主が「まだ、届いてないのかな」と心配になる前にすぐに「届きました」と電話を1本すれば、相手も安心します。こんな利点もあります。本をもらったお礼で三日ぐらい後なら、「まだ、読んでいませんが」と言えますが、ひと月後だと、言いにくいものです。とにかく、お礼やお礼状、お返しは、タイミングを逃すとどんどん大変になっていくので、早めにするよう心がけましょう。(青森・S)

7 メッセージ
  あげる時と同じように、お返しをする時はたとえ一筆でもメッセージを付けるようにしましょう。お祝いのお返しなら、なおさらです。(群馬・Ⅿ)



【4】あげるときの注意点
~知恵袋の会会員からのアドバイス
プレゼントをあげる写真

1多量の野菜や果物
  田舎のほうから、大量の野菜や果物が送られることがあります。まわりの人と分けても、食べきれないのです。嬉しいのですが、けっこう困るんですね。送るほうは、たいてい産地なので、大量なのは当たり前ですが、相手の家族の人数なども配慮するのも大切だと思います。(大分・S)

2人形や刺繍
  郷土人形や趣味性が強いインテリアはもらっても困ります。人形をもらったことがありましたが、飾ったあと、捨てるに捨てられず困りました。(山形県・A)

3私の好みを見ていてくれたこと
  自分では買わないようなものをいただいた時嬉しいですね。自分の好みのものをいただいた時、相手が「私の好みをよく見ていてくれたこと」にも感謝してうれしさが倍増します。人にものをあげるときも、相手の好みや趣味を知り、それに合わせて贈り物を用意することが大事ですね。(東京都・Y )

4虚礼廃止
  近年、儀礼的な盆暮れの贈り物をしない人が増えているとのこと。逆に、クリスマス、母の日、バレンタインデーなどに贈り物をすることは定着しています。つまり、会社の上司や取引先などへの虚礼は減り、家族、恋人などへのプレゼントは増えているようです。要は親密度ではないかと思います。親密でない上司に贈ることは『虚礼』、バレンタインの義理チョコもやはり『虚礼』なのかもしれません。(栃木・H) 

5してあげること
  孫がおばあちゃんの肩をたたいて(「肩たたき券」とか作りましたよね)あげる、また、インターネットの設定をしてあげたり、ケイタイの着メロをダウンロードしてあげたり…。『だれかのために、なにかをしてあげる』というのも一種の『贈答』です。『もの』を『行為』に置き換えて考えることもできるわけですね。(埼玉・T)

6相手の身になって、という難しさ
  相手がもらって嬉しいもの。これを贈るのはむずかしいです。いろいろ考えても浮かばないなら、「儀礼的にならない」「自分がもらったとき、うれしい」という観点で選んでもいいのではないでしょうか。(鹿児島・R)

7慎しみ深い言葉
「つまらない物ですが…」という言葉はいい表現ですね。つまり「ふだん、あなたに受けているご恩に報いるような品物はありません。どんなものを差し上げても『つまらない物』になってしまいます」という謙そんの気持ちですね。これを誤解する人がいます。「つまらないものなら止せ」とは冗談にもなりません。「お心ばかりの品です」とか、「ほんのお印です」と、いうのもいい言葉です。(東京・K)

8地元の銘菓
  大阪の土産で、決まった店のカステラを持っていきます。玉子味のするふわふわのカステラです。関東には売ってないようですが、これを持っていって、『おいしくないわ』っていわれたことはありません。地元の銘菓はお土産にいいですね。(大阪府・Y)

9「安否」を知らせる意味
  お中元やお歳暮は、「なんとか、元気でやっています」という意味で田舎に贈ります。安否情報ですね。(山形県・A)

10「ありきたりのもの」でも
  お歳暮やお中元は、できるだけ相手が必要な物を選びます。先方が必ず使う商品を贈ると喜ばれるようです。たとえば、いつ、どこからは「植物油が届く」と決まっていれば、あてにもされます。「石鹸やサラダ油がありきたりすぎてだめ」ということはありません。もちろん先方の好き嫌いをチェックして贈ります。(東京都・Y)

11手作りのもの
  手作りのもの(ケーキなど)は、仲がよい人にしか贈りません。相手の好みを把握して、贈るよう心がけてますが難しいですね。といいつつも、なんでもあげてしまうのですが…。手作りの食べ物は、あまり良く知らない人にはさしあげるのももらうのも気がひけます。(東京都・I.R)

12あとに残るものはあげない
  あとに残るものは プレゼントしません。ただ、記念として、理由のあるものは別です。また、ゴミ処理に困るもの(分別がややこしいもの)はプレゼントしません。(兵庫県・Y)